考え事を止められずに午前3時。元々の悩みの先に全く違う事項についての思索が走り、良くまとまってしまったので、ここに書き留めてみます。
ここ2年ほどでしょうか、いわゆるTableauのコミュニティタイトルや個人が特集される機会から、やんわり距離を取っていました。
その理由は漫然と「今の自分が目指す先と合致していない」と感覚的に捉えていたのですが、根源的な欲求や価値観を理解できたように思います。それがタイトルにある「没個性」でした。
自分のTableau活動や仕事における大きなテーマの一つに「再現性」があります。
仕事で言えば、例えばあるダッシュボードについて
作成が必要だった理由や背景
要求や要件
このダッシュボードはどのような課題を解決するか
見た人にどんなアクションを取ってほしいか
どのように使われるか
必要データの整理、データ加工の概観図
etc...
などの情報を書き残しますし、また作成過程のPrepフローやワークブック中に、様々な形態でコメント等を残します。
Tableau活動で言えば、何かのテーマについて原理や手順を書いているのはまさに「再現性」のためですし、去年から作成した#TableauChallengeにしても、WorkoutWednesdayの参加や動画での記録にしても、同様に「再現性」のための活動です。
ここでの「再現性」とは「同じポイントを押さえ、同じ手順で実行すれば、同じ結果が得られる」ことを意図しています。
そして「再現性」を重視する理由ですが、これはTableau活動を始めたとき、更に言えばBusiness Intelligence (ここではツールの話ではなく概念・プロセスの話) の世界に入った時から、自分のテーマは「ギャップを埋める」ことにあったからです。
自分の埋めたいギャップはデータリテラシーかもしれませんし、データを扱うスキルかもしれませんし、データへのアクセス性かもしれません。
要は「見るべき情報を好きなように見られる状態」との距離感を埋める手助けをすることを、漫然なときと具体的なときを往来しつつ、自分のテーマに置いてきました。
多くの方にとって「ギャップを埋める」手助けとなるためには、その手段や思考・論理に「再現性」が重要となる。このような建付けです。
そして再現性を十分に担保することは、必然的に非属人的であること、つまり「没個性」的であることが求められると考えています。誰でも同じことができる余地を担保するために、ブラックボックスを極力排除して、論理を整備して提供すること、または普遍度を上げた内容に整理することを要します。
このテーマで活動する時に、言ってしまえば自分の特別性のようなものは不要なわけですね。少なくとも体裁上は「大したことない」方が便利ですので、明示的に輝かしい実績を求めないのだと理解できた、という次第です。
何ごとも「大したことない」人でも出来るなら、自分でも出来そうだって気がしませんか。その精神的ハードルの低さもまた、自分の目的には大事なわけです。
(そして自分は実際に大した人間ではない)
ということで、これから地味路線が深まっていくと思います。
自分の作ったもの・書いたものが、誰かにとって再現性ありつつ役に立てば良いんです。
余談
ちなみに「没個性」の道と書くとややネガティブですが、生きてみるとめちゃくちゃ面白いです。
個人レベルで言えば、何かの知識や経験を得る際に抽象化を考えるので、応用がはかどる印象です。
他人レベルで言えば、自分の成果(物)の再現可能性を知っているので、どこかで誰かが同じような方法で成果を出していることを想像すると、なかなか面白い気分になります。