ダンベルチャートをいつ使うか


今回のテーマは、ダンベルチャートをどう使うのが良いのか、についての考察です。

ちなみにダンベルチャートは、下図のような、文字通りダンベルみたいなチャートのことです。


ダンベルチャートの本題に入る前に、まずはちょっと問題設定から始めたいと思います。

扱うデータはTableauユーザーおなじみのスーパーストア・データセット。

可視化のテーマは「サブカテゴリごとの今年度、前年度の売上を表示し、”前年度差”と”前年度比”が大きく上昇したサブカテゴリを伝える」です。簡潔に言えば、売れるようになったサブカテゴリを探そう、です。

ここで強調したいのは、メインテーマは「前年度差」と「前年度比」であることです。メインはこの2点です。一方で売上それ自体も、差と比を考える上では評価したい指標です。

「前年度差」、「前年度比」、「売上」の3点を可視化し、そこから得られるストーリーを伝えたい。これが今回の問題設定です。

【まず思いつく、シンプルなViz(データ可視化)】

さて、一般的にまず思いつくのは、下記のようなグラフではないでしょうか。


カテゴリーごとの年度別売上を表示しています。2018年の売上に注目できるよう、シンプルに「年度」で色付けをし、今年度(2018年)をハイライトしています。

一方でこのグラフには下記のような問題点があります:

 ・色が示す情報は年度のみ。

 ・売り上げの「前年度差」を”読み解く”必要がある。(ここで言う”読み解く”は、直感的に分かることが出来ない、のニュアンスです。)

 ・前年度比に関する情報が一切ない。テキストでグラフに書き足しても良いが、グラフが煩雑になりうる。

したがって、最も伝えたい「”前年度差”と”前年度比”が大きく上昇したサブカテゴリは何か」を効果的に伝えることが難しくなっています。

【少し手をかけた棒グラフ】

それなら、下記の棒グラフはどうでしょうか。「For Color」は前年度比を示します(ただし2018年のみ色付け)。


最初の棒グラフに比べて以下のようになりました:

 ・前年度は灰色としたまま、今年度のみ”前年度比”で色付け。

 ・前年度差はまだグラフから”読み解く”必要がある。

 ・直感的に”グラフの差が大きく、色も濃いサブカテゴリが良さそうだ”と分かる

「前年度比」用の計算式を用意してあげれば、最初の棒グラフよりも”直感的に”「”前年度差”と”前年度比”が大きく上昇したサブカテゴリは何か」というストーリーを伝えることが出来ます。

一方で、結局のところ「前年度差」は置き去りです。上のような、売上を横軸とした棒グラフでは、あくまでもメインは「売上」それ自体です。

それでは、下記のような棒グラフはどうでしょうか。


この棒グラフでは、横軸は「前年度差」、色は「前年度比」をしっかりと使っています。

また2018年の売上もサブカテゴリ横に記載し、必要な情報は揃っています。これでも十分かもしれません。

しかし、ここでの問題点として「売上」それ自体が、今度は可視化されていません。参考として数字を書いてあるものの、やはり可視化もしたい。なら棒グラフを増やしたらどうか、ということで下記も考えられますが、Vizを不必要に増やすと、見るべきものが増え、メインのストーリーを伝えにくくなる危険性もあります。


「差と比」を示しながら、元々の数字も表したい。ここにダンベルチャートの価値・モチベーションがあります。

【ダンベルチャート】

長くなりましたが、やっとダンベルチャートの登場です。ダンベルチャートを使うと、元々の目的「サブカテゴリごとの今年度、前年度の売上を表示し、”前年度差”と”前年度比”が大きく上昇したサブカテゴリを伝える」ことが、簡単にできます。


ダンベルチャートについて補足します:

 ・●の位置は、各サブカテゴリの、年度ごとの売上を示す。

 ・ここでは灰色の●は2017年度、色付けされた●は2018年度を表す。

 ・ダンベルの持ち手部分、棒の長さは「前年度差」を表す

 ・色は前述の棒グラフと同じく「前年度比」。

ダンベルチャートから、良い感じのサブカテゴリが何か、一目で知ることが出来ます。

Phones, Binders, Accessories, Appliancesあたりは元の売り上げ(●の位置)も高めで、「前年度差」(棒の長さ)も良い感じにあり、「前年度比」(色)が濃い青なので、これは元々のテーマ「サブカテゴリごとの今年度、前年度の売上を表示し、”前年度差”と”前年度比”が大きく上昇したサブカテゴリを伝える」を、簡潔かつ力強く伝えています。

これが、ダンベルチャートのパワーです。

ちなみに、似たような見せ方で以下のような形もできます。

(中央以外のViz名は適当です。誰か正式名称をご存知でしたら教えてください。)


いかがでしたでしょうか。ダンベルチャートの作り方は、探せば記事がいくつか出てきます。

また簡単に作れるので、作り方は省略します。

ただ、今回の記事に用いたワークブックを以下にのせてあるので、計算の参考にどうぞ。

https://public.tableau.com/profile/yoshitaka6076#!/vizhome/WhentoUsetheDumbbellChartForMyBlog/sheet0?publish=yes

Happy Data Visualizaton.

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